ブルーライトってどうやって防げばいいんですか?

光には、光として見ることができる可視光線と、光として見ることができない不可視光線の2種類があります。不可視光線として身近なものは、紫外線や赤外線です。通常、光は角膜や水晶体に取り込まれて屈折の調整がおこなわれ、網膜へ送られます。網膜に届いた光の情報は、視神経を通って脳に映像として映ることで、物体の色を識別することができます。ところが、不可視光線は強いエネルギーを発しているため、角膜や水晶体で光の調整をすることができないどころか、人体に影響を与えるという性質を持っています。パソコンやスマホが普及したことによって広く知られるようになったブルーライトは、可視光線でありながら、光の波長が不可視光線に限りなく近い光です。そのため、目に大きな負担をかける光といわれています。

具体的な影響としては、長時間にわたって画面を見続けることで、眼精疲労や頭痛、肩こりドライアイなどの症状が現れます。また、角膜や網膜などの物体を見るために必要な器官がダメージを受けるため、視力が低下します。物体を見た時にピントを合わせる役割を持つ眼球運動も盛んになるため、疲労によってピントが合いにくくなることもあります。さらに、睡眠をつかさどるメラトニンホルモンの分泌が抑えられてしまうため、睡眠障害につながってしまうという研究結果も出ています。睡眠障害は日々の疲労回復を妨げるだけでなく、精神疾患を引き起こすこともあります。体全体に悪影響を与えてしまう光なのです。

このような影響を回避するためには、まずは長時間にわたって画面を見続けないことが重要です。理想としては、1時間に15分の休憩を取ると良いといわれていますが、仕事中に休憩を取るのが難しい方も多いことでしょう。そのような方は、せめて30分に1度は数分だけでも画面以外の場所を見るようにするなど、長時間見続けない方法を自分なりに決めてみてはいかがでしょうか。また、ディスプレイの明るさを下げたり、専用のカットフィルムを貼ったり、専用のカット眼鏡を使用するといった対策法もおすすめです。